• 災害に備える(その3)~「被害に対する備え(断水編)」

災害に備える(その3)~「被害に対する備え(断水編)」

4.被害に対する備えは何?(断水編)

断水になったて困ることは主に以下ですね。
 ・飲料(料理)
 ・トイレ
 ・風呂(シャワー)
 ・歯磨き
それぞれの対策方法を説明します。


①飲料(料理)
 飲料用の水は先ずは備蓄しておくしかありません。
 備蓄しておくべき水の量は、一般的に言われているのがコレ↓です。
 【備蓄すべき水の量(リットル)】 = 人数(人)× 日数(日)×3(リットル)

 つまり、1人当たり1日3リットルを日数分備蓄すべきとされています。
 
 日数は「最低3日」。
 これは、人命救助のデッドラインが72時間(3日間)であることが理由です。
 さらに、水道の復旧までにおおよそ1週間はかかるものとして、1週間以上の備蓄が望ましいとされています。

 実際計算すると、3人家族の場合
 最低でも27リットル(3人×3日×3リットル)、
 1週間分は63リットル(3人×7日×3リットル)、
 となり、27リットルは2リットルペットボトルの14本分、63リットルは32本分でなかなかの量です。
 
 ご自宅内で、できるだけスペースを見つけて必要量の備蓄をお勧めします。

 尚、ペットボトルの水も賞味期限があるので定期的に入れ替える「ローリングストック」を行うのが良いでしょう。
 
 通常のペットボトルの水は、賞味期限が1年~2年とされています。

 未開封であっても賞味期限を過ぎると飲めないか?というと、実はそうではなくて、
 ペットボトルに極小の穴があってそこから少しずつ中身の水が蒸発したり、外部のニオイが移ったりすることがあるため賞味期限が定められています。
 こういったことをできるだけ防ぐために、ペットボトルを厚くしたのが「長期保存水」です。

 5年、10年保存できるものがあって、「防腐剤が入っている」なんて言われることがありますが、そうではなくペットボトルを厚くしただけで中身の水は同じです。
 
 とはいえ、普通のペットボトル水を長期間保存するよりは、1~2年周期で入れ替えるか(ローリングストック)、長期保存水を備蓄する方が安心です。


②トイレ
 断水でトイレが流せない場合、浴槽に残り湯などが溜まっている場合はその水を使って流すことができます。
 
 この↓動画を参考にすると良いと思います。
 https://www.youtube.com/watch?v=kXxc7BdmXzY

 尚、水が少なかったり勢いが足りないとうまく流れないようです。
 跳ねが心配な場合は普段タンク内にどの位置まで水が溜まっているかを確認しておいて、その位置までバケツでタンク内にバケツで水を注いで
いつも通りレバーで流せばOKです。
 ただし、水位を確認しながらタンクに水を入れるのが面倒なのと、水を多く入れすぎるとタンクからあふれたりレバーで流しても跳ねる可能性があるので注意が必要です。
 
 また、動画の説明にもある通り、地震で配管が破損している場合は汚水があらぬ場所から漏れ出す可能性があるので
建物や家屋に損壊が見受けられる場合は流さない方が良いでしょう。

 流せる水が無い場合や、配管が破損している場合は「簡易トイレ(非常用トイレ)」を使用するしかありません。

 「簡易トイレ(非常用トイレ)」は様々な種類があるので、ご自身の事情に合わせて準備しておくと良いでしょう。
ネットはもちろん、ホームセンターや100均でも購入できます。

 参考のサイトはコレ↓です。
 https://my-best.com/50

さらに「簡易トイレ(非常用トイレ)」も無い場合は下記サイトなどを参考にトイレを自作するしかありません。

 ■簡易トイレの作りかた
  https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/basic-knowledge/20240103_01.html

  https://www.bosai.yomiuri.co.jp/article/80

  https://www.youtube.com/watch?v=OD3EBp2tCFI



③風呂(シャワー)
 断水時の入浴(シャワー)は夢のまた夢です。
 
 とはいえ、災害時でも体や髪の毛の衛生状態は保つ必要があります。
 その対策は「水を使わないで汚れをふき取る」が基本になります。

 入院患者用や介護用のものと同等ですが、「防災 シャンプー」や、「防災 体拭き」で検索すると該当製品が出てきます。
 
 この様なサイト↓を参考に、必要な分を準備しておくと良いでしょう。
 https://tenki-bosai.com/emergency-body-sheet-shampoo-sanitization-goods/



④歯磨き
 「災害時に歯磨きなんて我慢する!」なんて思いがちですが、災害時でも歯磨きを行うこと、つまり口の中の衛生状態を保つことはとても重要です。
 
 災害時は、食べなれてない非常食などで誤嚥(食べ物やだ液が気管にはいること)を起こすことがあります。
 このとき、口の中が不衛生な場合は気管内に細菌が入り、呼吸器系の感染症になるリスクがあって(特に高齢者)、
 このため、歯磨きを行って口の中の衛生状態を保つ必要があります。

 水が使えない場合は「歯磨きシート」を使う方法もあるので、この↓サイトを参考下さい。
 https://seeker-dental.com/info/0775/


⑤給水
 さて、断水が長期間続く場合は自治体や自衛隊などの給水を受けるしかありません。

 給水を受ける場合はポリタンクやバケツ等を持参して給水場所まで行き、給水を受けたら自宅等まで持ちかえることになります。 
 1回1人当たりの給水量は一律に決まっているようではなさそうですが(恐らく発災後の日数や、場所、給水する側の事情などで1人当たりの給水量が変わると思います)、仮に20リットルとした場合、20kgの重さになります。
 これをどうやって持ち帰るかが問題です。

 持ち帰る途中に階段や段差が無ければ、この様な↓キャリーカートを使うのが楽でしょう。
 http://www.amazon.co.jp/dp/B0CKDP5R3Z

 例えばこの↓様な折り畳み式のタンクを使えば、20リットル入れても上のキャリーカートに入ります。
 http://www.amazon.co.jp/dp/B0CRKX83KM

 キャリーカートも耐荷重が35kgとなっているので20kgでも壊れることはありません。

 因みに我家では同様なキャリーカートを車に積んでいて、駐車場から家まで買い物を運ぶのに使っています。


 一方、持ち帰る途中に階段や段差がある場合は背負うのが良いとされ、リュックサックとビニール袋を使った給水袋の作り方を紹介しているサイトがあります。
 https://sonaeru.jp/goods/handiwork/groceries/g-43/

 とはいえ、20kg以上を背負って距離を歩くのもかなりの重労働です。。

 なので、キャリーカートとリュックサック、タンク(リュックサックに入るサイズ)を準備して、リュックサックの中に入れたタンク(最悪はポリ袋)に給水してもらう。
 平地ではリュックサックごとキャリーカートに入れて運搬、階段はリュックサックを背負って上る、というのが一番良い方法だと思います。





ということで断水に対する備えについて書いてみました。
思ったより盛りだくさんになったので、「ガス停止」については次回にします。