• 地震のハザードマップ

地震のハザードマップ

■地震のハザードマップ(J-SHIS)
地震について、今後30年、50年で震度5弱以上の揺れが起きる確率を示す地図が「防災科学技術研究所」(防災に関する国の研究機関)から公開されています。
確率のデータはほぼ毎年更新されて、ここで最新の情報を確認することができます。

https://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

■簡単な使い方
サイトを開くとこの様な画面が表示されます。


以下の①~⑤で知りたい情報が得られます。

①データの年度の選択:いつ(過去の年度)のデータであるか選択できます。最新の情報を知るには、一番新しい年度を選択します。
②「平均ケース/最大ケース」とあります。ここはどちらを選択しても良いですが、最悪の場合を知るには「最大ケース」を選びます。
③「今後何年間の間にどれくらいの震度に見舞われるか」を選択します。
④地図で確率を示す色です。
 ここで、確率の数字は0~0.1、0.1~3、3~6、6~26、26~100%となっています。
 全体的に小さい数字で、26~100%がひとくくりで何だか良く判らないですが、
 数値に惑わされずに「やや危険、危険、めっちゃ危険」みたいな感じでとらえる方が良いと思います。
⑤「+/-」で地図の拡大縮小ができます。
  マウスの左ボタンを押しながら、地図の位置を移動することができます。


■データの信憑性
とは言ってもこのデータをどこまで信じて良いの?という疑問はありますよね。
過去の大きな地震とその前の予測とを比較してみました。

①2011年東日本大震災
震災の前の年に作成された、「今後30年間に震度6強以上の揺れに見舞われる確率」がこれです。東北地方はほとんどが確率0~0.1%の黄色になっています。

実際の揺れがこれ。予測がほとんど外れていると言って良いでしょう。



②2016年熊本地震
2015年のデータは公開されていないので、2014年のデータを見ると熊本で揺れの大きかった場所は確率6~26%になっています。

実際の揺れがこれ。想定外の活断層の動きとされていますが、揺れの大きかった場所は地震が起きると危険であることは判っていたようです。



③2018年大阪北部地震
2017年に公開された「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」がこれ。


実際の揺れがこれ。揺れが大きかった場所は確率26~100%で、もともと危険であることは予測されていたようです。



④2018年胆振地方東部地震
2017年に作成された確率データがこれ。


実際の揺れがこれ。揺れが大きかった場所は確率3%以下で示されていました。



⑤2019年山形沖地震
2018年に作成されたデータがこれ。


実際の揺れがこれ。揺れが大きかった場所は概ね確率6%~26%で、地震が起きれば揺れが大きくなることは示されていたようです。


⑥2024年能登半島地震
2023年に作成されたデータがこれ。


実際の揺れがこれ。
揺れが大きかった場所はほとんど確率0~0.1%で、予測はほとんど外れていると言って良いでしょう。



■結論
地震の完璧な予測は現代科学でも難しいということが理解できたと思います。
確率が低い場所でも決して安全ではなく「地震に備えた対策を講じておく」、そして
確率の高い場所は実際に大きな揺れに見舞われているので「しっかりと地震に備えた対策を講じておく」ことが必要です。

ちなみに、昨年公開された「今後30年間で震度5弱以上の揺れに見舞われる確率」は、
北は北海道から南は沖縄までほとんどの場所が確率26~100%になっています😨